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4 火災による損害の状況
平成7年中の火災による損害額は1,938億円であり、爆発を除くと1,923億円で、前年に比べ196億円増加しており、その1件当たりの損害額は、307万円(前年274万円)と前年より33万円多くなっています。
5 火災による死者の状況
(1) 死者の状況
平成7年中の火災による死者は、2,356人であり、爆発を除くと2,347人で、前年に比べ449人(23.7%)増加しています。また、放火自殺者を除いた死者は1,820人であり、爆発を除くと1,811人で、前年に比べ537人増加しています。
なお、放火自殺者は前年に比べ88人減少して536人となっており、全死者に占める割合は、22.8%となっております。
(2) 高齢者、乳幼児等の犠牲者
火災により犠牲になったものは、例年、自力で避難できない、乳幼児や、寝たきりなど体の不自由な高齢者が多く、平成7年中の放火自殺者を除く死者についてみますと、65歳以上の高齢者が918人、5歳以下の乳幼児が70人となっており、両年齢層をあわせますと放火自殺者を除く死者全体の54.3%を占めています。また、病気・身体不自由によって逃げ遅れたことによる死者は220人です。
(3) 負傷者の状況
火災による負傷者は7,279人であり、爆発を除くと7,050人で、前年に比べ43人(0.6%)増加しております。

火災による死場者の推移(単位:人)

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6 出火原因
総出火件数62,913件のうち、失火による火災が、42,387件(金火災の67.4%)で、火災の大半は火気の取り扱いの不注意や不始末から発生しています。また、放火及び放火の疑いは11,305件(金火災の18.0%)であり、爆発を除くと11,300件で、前年に比べ143件増加し、平成4年以降連続して1万件を超えています。
(1)「たばこ」による火災が第1位
たばこによる火災は7,176件であり、爆発を除くと7,175件で、前年に比べて8件(0.1%)増加し、爆発を除く火災の11.4%を占めています。
たばこによる火災の主な経過別出火件数をみますと、投げ捨てによるものが約6割を占め、次いで火源の転倒・落下、消し忘れの順となっています。
たばこによる火災の損害額は前年に比べ7億1,321万円減少しており、火災1件当たりでは約11万円減少しています。
(2)「放火」及び「放火の疑い」による火災の合計は増加
放火による出火件数は6,169件であり、爆発を除くと6,165件で、前年に比べ60件(1.0%)減少しています。放火の疑いによるものは5,136件であり、爆発を除くと5,135件で、前年に比べ203件(4.1%)増加しています。放火及び放火の疑いを合わせますと、1万1,305件(金火災の18.0%)であり、爆発を除くと1万1,300件で、前年に比べ143件(1.3%)増加し、平成4年以降連続して1万件を超えています。
放火による損害額は125億7,050万円であり、爆発を除くと125億6,930万円で、前年に比べ20億9,967万円(20.1%)増加しています。放火の疑いによるものの損害額のうち、爆発を除いたものは110億6,921万円で、前年より1億6,382万円(1,5%)減少しています。この結果、放火と放火の疑いとを合わせた損害額のうち、爆発を除いたものは236億3,851万円で、前年に比べ19億3,585万円(8.9%)増加し、火災1件当たりの損害額は前年より約15万円増え約209万円となっています。
次に、これらの火災を発火源別にみますと、ライターによるものが3,772件と最も多く、次いで、マッチによるもの、たきつけによるものの順になっています。
また、放火及び放火の疑いがあった時間帯をみますと、前年同様、夜間から深夜(20時以降翌朝の6時までの間)にかけてが最も多くなっており、この時間帯に6,719件(59.4%)発生しています。
(3)「たき火」及び「火あそび]による火災は減少
たき火による火災は5,562件であり、爆発を除くと5,559件で、前年に比べ2,405件(30.2%)減少しています。

 

 

 

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